死生学とは

終末期ケア概論 | 記事URL


死生学とは、死にまつわる現象を対象として、その考察や解明を通して生を捉えなおす学問である。それは実践的であり、学際的で実存的な特徴を持つとされる。


この定義で、第一に確認すべき点は、「生にまつわる現象に注目した過程や結果として間接的に死に注目するのではない」ということである。「死にまつわる現象に注目する」点からの出発であり、生はあくまでも死への照準から逆照射的に捉えられるものである。

生への照準から死を捉えるのであれば、これまでも哲学や倫理学、社会学や心理学、そして医学などの学問が指向してきた。死生学という新しい学問分野の誕生を待つまでもないともいえる。

第二には、死のみに照準し考究するのではなく、死と生を密接に関連しあった対とみなしている点である。そして両者を同じ比重で重視し、現代社会における私的な死の囲い込みとその裏腹である生への過剰な価値づけを問い直すものである。



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